渋谷区のインターナショナルスクールの選び方|主な学校の特徴と見学時の確認事項

渋谷区には、長い歴史を持つ学校から、国際バカロレア(International Baccalaureate:IB)などの国際的な教育プログラムを採用する学校まで、さまざまなインターナショナルスクールがあります。対象年齢やカリキュラム、教育方針、学校の規模もそれぞれ異なります。
この記事では、渋谷区という地域の特徴とインターナショナルスクールの種類、主な学校について紹介したうえで、学校を選ぶ際に確認したい5つのポイントを解説します。さらに、学校見学でどのような点を見ると、その学校の教育や学習環境をより具体的に理解できるのかについても紹介します。
渋谷区のインターナショナルスクール:エリアの特性と学校の種類
渋谷区には、幼児教育から初等・中等教育まで、さまざまな年齢の子どもを対象とするインターナショナルスクールがあります。対象年齢やカリキュラム、教育方針、学校の規模はそれぞれ異なるため、同じ渋谷区内にある学校でも教育環境には大きな違いがあります。 学校を検討する際には、立地だけでなく、子どもの年齢や学び方、家庭が教育において重視すること、その後の進路なども含めて、それぞれの学校の特徴を理解することが大切です。
渋谷区にインターナショナルスクールが自然と集まる理由
渋谷区には、松濤、富ヶ谷、代々木、広尾周辺などの住宅地があり、都心への交通アクセスにも恵まれています。外国人居住者や国際的な環境で生活する家庭も多く、インターナショナルスクールを含む多様な教育へのニーズがある地域です。
また、渋谷区には代々木公園をはじめとする自然環境に加え、美術館や文化施設、商業施設、テクノロジー関連企業などが集まる地域もあります。都市としての利便性と、文化・芸術・自然に触れられる環境の両方を身近に持つことも、この地域の特徴です。
こうした地域の環境は、学校の立地としての利便性だけでなく、校外での学習や地域社会との関わりを考えるうえでも、渋谷区ならではの教育環境の一部といえるでしょう。
渋谷区にあるインターナショナルスクールの分類
渋谷区内のインターナショナルスクールには、主に次のような学校があります。
- プリスクールやキンダーガーテンなど、幼児教育を中心とする学校
- 初等教育から中等教育まで複数の教育段階を設けている学校
- 特定の年齢層やカリキュラムに重点を置く学校
学校によって入学できる年齢や継続して在籍できる学年が異なります。現在の学年だけでなく、その後どの段階まで同じ学校で学べるのか、次の教育段階にどのようにつながるのかを確認しておくことも、学校選びでは重要です。
渋谷区の主なインターナショナルスクール

渋谷区には、長い歴史を持つ学校から、特定のカリキュラムや教育方法に特色を持つ学校まで、さまざまなインターナショナルスクールがあります。ここでは、代表的な学校について、それぞれの教育課程や特徴を紹介します。
聖心インターナショナルスクール — 歴史ある名門女子校
聖心インターナショナルスクール(International School of the Sacred Heart)は、1908年に創立された歴史あるインターナショナルスクールで、渋谷区広尾に位置しています。幼児教育から高校相当までの教育課程を設けており、幼児部の一部を除き、女子を対象とした教育を行っています。
同校は、国際的な学校認定機関であるCouncil of International Schools(CIS)およびWestern Association of Schools and Colleges(WASC)の認定を受けています。長い歴史を持つ国際的な教育環境のなかで、幅広い国や文化的背景を持つ生徒が学んでいる学校です。
ユナイテッドスクールオブトーキョー — アメリカンカリキュラムを軸に学ぶ国際校
ユナイテッドスクールオブトーキョー(United School of Tokyo:UST)は、2014年に保護者と教育者によって設立された渋谷区のインターナショナルスクールです。3歳から14歳までを対象に、キンダーガーテン、エレメンタリー、ミドルスクールの教育課程を設けています。
アメリカンカリキュラムを基盤としながら、体験や探究を取り入れた学習を行っています。また、日本語教育や英語を追加言語として学ぶ生徒へのサポート、学習面での支援なども提供しています。
代々木インターナショナルスクール ― 探究型学習を実施するIB PYP認定校
代々木インターナショナルスクールは、1999年に創立された27年の歴史を持つインターナショナルスクールです。PreK(4歳児)から現在高校1年生まで教育し、3年後には全ての高等教育を修了できるよう計画されています。国際バカロレア(IB)のPrimary Years Programme(PYP:初等教育プログラム)認定校です。PYPの教育の枠組みに基づき、生徒自身が問いを持ち、調べ、考え、対話を通して理解を深めていく探究型の学習を行っています。また、Middle Years Programme (MYP: 中等教育プログラム)の認定候補校です。
国際的な学校認定機関であるCouncil of International Schools(CIS)の認定も受けています。少人数の学習環境のなかで、教師が生徒一人ひとりの学習の過程を把握しながら、自分の考えを表現し、他者の考えに耳を傾ける機会を大切にしています。また、さまざまな国や文化的背景を持つ生徒が共に学び、英語を追加言語として学ぶ生徒にはEAL(English as an Additional Language)のサポートも提供しています。
学校見学では、IBの教育理念やカリキュラムについて説明を受けるだけでなく、探究が実際の授業のなかでどのように行われているか、教師と生徒がどのように関わっているかなどを確認することができます。
渋谷区でインターナショナルスクールを選ぶ5つのポイント

渋谷区でインターナショナルスクールを選ぶ際には、学校の知名度や通学の利便性に加え、カリキュラム、認定状況、将来の進路、クラスサイズ、言語教育などを具体的に確認することが大切です。 子どもの現在の学習環境だけでなく、その後の教育とのつながりも考えながら、それぞれの学校の特徴を比較するとよいでしょう。
カリキュラムの系統——IB・英国式・米国式で将来の進路が変わる
インターナショナルスクールでは、IB、英国式、米国式など、さまざまなカリキュラムが採用されています。それぞれ教育の考え方や学習内容、授業の進め方、評価方法が異なります。
また、同じ系統のカリキュラムであっても、学校によって提供するプログラムや対象学年は異なります。カリキュラムの名称だけで判断するのではなく、実際にどのような教育が行われているのか、その教育が中学校・高校段階や大学進学にどのようにつながるのかまで確認することが重要です。
家庭が教育において何を重視するのか、子どもがどのような環境で学びやすいのかを整理したうえで、各校のカリキュラムを比較すると、学校ごとの違いがより明確になります。
認定状況と学びの継続性——帰国や他国への転校を見据えて確認する
海外赴任などにより、将来、母国への帰国や別の国への転居が考えられる家庭では、転校後の教育とのつながりも学校選びの重要な要素になります。
その際には、学校が採用しているカリキュラムに加え、どのような国際的な認定を受けているかを確認するとよいでしょう。IBは世界各地の学校で実施されている国際的な教育プログラムであり、学校ごとに認定されているプログラムや対象年齢が異なります。また、CISなどによる学校認定は、学校全体の教育や運営が国際的な基準に照らして評価されていることを示します。
認定そのものが転校時の学習内容の一致を保証するものではないため、実際に転校する可能性がある場合には、成績記録や学習内容の引き継ぎ、次の学校への移行について、各校がどのような支援を行っているかも確認しておくとよいでしょう。
通学・アクセス——渋谷区ならではの交通の便
渋谷区は、JRや東京メトロ、私鉄など複数の鉄道路線が利用でき、都内のさまざまな地域からアクセスしやすい場所にあります。ただし、実際の通学のしやすさは学校の所在地と家庭の居住地によって大きく異なります。
特に小さな子どもの場合には、所要時間だけでなく、乗り換えの回数、混雑する時間帯、駅から学校までの経路、保護者による送迎の必要性なども考える必要があります。スクールバスを運行している学校では、利用できる地域や停留所、運行時間についても確認しておくと、毎日の生活をより具体的に考えることができます。
クラスサイズと多様性——少人数制か大規模校かを見極める
インターナショナルスクールには、比較的大規模な学校から少人数の学校までさまざまな規模があります。学校の規模は、施設、科目、課外活動などの選択肢だけでなく、教師と生徒の関係や学校コミュニティのあり方にも関係します。
大規模校では、スポーツ、芸術、音楽、演劇など幅広い活動を提供している場合があります。小規模な学校では、教師が個々の生徒の学習や学校生活を把握しやすい環境が形成されている場合があります。
学校を比較する際には、生徒数だけで判断せず、クラスサイズや教員配置、教師と生徒の関わり方なども確認することが大切です。また、生徒の国籍数だけではなく、異なる言語や文化的背景を持つ生徒が日常の学習や学校生活のなかでどのように関わっているかを見ることで、学校の多様性をより具体的に理解できます。
日本語教育・EALサポート——言語面での家庭のニーズを整理する
日本語教育の位置づけは、インターナショナルスクールによって異なります。日本語をカリキュラムに組み込んでいる学校でも、授業時間、対象学年、習熟度別の指導方法などには違いがあります。
同様に、英語を追加言語として学ぶ生徒を対象とするEAL(English as an Additional Language)の支援内容も学校によって異なります。対象となる学年や英語力、授業の方法や頻度、通常のクラスとの関係などを確認することで、入学後にどのような言語支援を受けられるのかを具体的に理解できます。
子どもの現在の英語力や日本語力、家庭で使用する言語、その後の進路を踏まえ、学校の言語教育が子どものニーズとどのように合っているかを考えることが重要です。
インターナショナルスクールの学校見学でチェックしたいポイント

学校のウェブサイトや資料からは、教育方針、カリキュラム、学費、入学条件などの基本的な情報を確認できます。学校見学では、それらの情報が実際の教育のなかでどのように表れているのかを見ることができます。特に、授業の進め方、教師と生徒の関係、生徒が学習に参加する様子、学校全体の環境などは、実際に学校を訪れることで理解しやすくなります。
先生や生徒の雰囲気を見て、子どもが安心して過ごせるか確認する
学校見学では、教師と生徒がどのように関わっているかを見ることが重要です。教師が生徒の発言や質問にどのように応じているか、生徒が教師にどのように話しかけているか、教室のなかでどのようなやり取りが行われているかには、その学校の教育に対する考え方が表れます。
生徒が質問したり、自分の考えを伝えたり、間違いから学んだりできる環境がどのようにつくられているかにも注目すると、学校が大切にしている教師と生徒の関係をより具体的に理解できます。
授業の様子や体験の機会を確認し、学び方をイメージする
授業を見学できる場合には、教師が何を教えているかだけでなく、生徒がどのように学んでいるかを見ることが大切です。
教師による説明、生徒自身による思考や探究、クラスでの対話、グループでの活動などが、授業のなかでどのように組み合わされているかを観察すると、その学校の教育方法が見えてきます。また、生徒がどのように質問し、自分の考えを表現し、他者の意見に応答しているかを見ることも、学校の学習環境を理解する手がかりになります。
体験授業を実施している学校では、子ども自身が実際の学習環境に触れる機会として活用することもできます。
ICT機器や図書館など、学びを支える環境を確認する
ICT環境を確認する際には、パソコンやタブレットの台数だけでなく、それらが授業のなかでどのような目的で使われているかを見ることが重要です。情報収集、表現、共同作業など、テクノロジーが学習をどのように支えているかによって、その役割は異なります。
図書館についても、蔵書数だけではなく、どのような言語や分野の資料があり、生徒が授業や探究、日常の読書にどのように利用しているかを見るとよいでしょう。科学実験室、アートルーム、音楽室などの学習スペースについても、施設そのものだけでなく、カリキュラムのなかでどのように活用されているかを確認することが大切です。
校舎や校庭を見て、子どもが過ごしやすい空間か確認する
学校施設は、規模や新しさだけで評価できるものではありません。教室や共有スペースが、日々の学習や生徒同士の交流にどのように使われているかを見ることが重要です。
教室の環境、屋外で活動できる場所、休み時間に過ごすスペース、体育や芸術活動のための施設などを確認すると、子どもが一日の大部分をどのような環境で過ごすのかを具体的にイメージできます。
また、校内の安全管理や子どもの年齢に応じた施設の使われ方なども、学校生活を考えるうえで確認しておきたい点です。
見学後に家族で振り返り、学校ごとの違いを比較する
複数の学校を見学すると、それぞれの印象が混ざりやすくなります。見学後には、教育方針、授業の様子、教師と生徒の関係、言語環境、施設、通学など、家庭が重視する項目について記録しておくと比較しやすくなります。
また、子どもが見学に参加した場合には、子ども自身が何に関心を持ち、どのような場面で心地よさや戸惑いを感じたのかを聞くことも、学校を理解するための一つの材料になります。
最終的には、学校の印象だけでなく、カリキュラムや教育方針、入学条件、通学、学費、その後の進路などを含めて考えることで、それぞれの学校と子どもとの関係をより総合的に検討できます。
まとめ
渋谷区には、長い歴史を持つ学校から、IBをはじめとする国際的な教育プログラムを採用する学校まで、それぞれ異なる特徴を持つインターナショナルスクールがあります。渋谷区の交通の利便性や文化・自然環境も、学校生活を考える際の地域的な特徴の一つです。
学校を選ぶ際には、カリキュラム、認定状況、その後の教育とのつながり、通学環境、クラスサイズ、日本語教育、EALサポートなどを具体的に確認することが大切です。海外への転居や日本国内での転校が考えられる家庭では、次の学校への移行や学習の継続についても確認しておくと、より長期的な視点で学校を検討できます。
学校見学では、施設や学校全体の印象だけでなく、教師と生徒の関係、生徒がどのように学習に参加しているか、そして学校が掲げる教育方針やカリキュラムが日々の教育のなかでどのように実践されているかを見ることが重要です。こうした情報を、子どもの学び方や教育上のニーズ、家庭が大切にすることと照らし合わせることで、それぞれの学校をより具体的に理解することができます。
カリキュラム






