インターナショナルスクールで後悔したのはどんなケース?よくある7つの原因と入学前にできる対策を徹底解説

インターナショナルスクールへの入学を検討する際には、英語による教育環境や国際的な学校コミュニティなどに目が向きやすい一方、実際に入学してから初めて気づくこともあります。学費、日本語教育、英語のサポート、保護者と学校とのコミュニケーション、その後の進路など、学校によって大きく異なる点も少なくありません。
入学後の「思っていた学校と違った」という経験を減らすためには、インターナショナルスクールという名称だけで判断せず、それぞれの学校の教育方針やカリキュラム、言語環境、費用、進路などを具体的に確認することが重要です。
本記事では、インターナショナルスクールを選ぶ際に後悔につながりやすい7つの原因を整理し、それぞれについて入学前に確認しておきたいことと、学校選びのポイントを解説します。
インターナショナルスクールで後悔するケースはなぜ起きるのか
インターナショナルスクールへの入学後に生じる不満や戸惑いには、学校そのものの問題だけでなく、入学前に抱いていた期待と、実際の教育環境との違いが関係することがあります。 インターナショナルスクールは、学校によってカリキュラム、教育方針、使用言語、日本語教育、英語サポート、進路指導などが大きく異なります。入学前にこうした違いを理解し、家庭が教育に求めるものと照らし合わせることが重要です。
後悔の最大の原因は「期待値と現実のズレ」
「インターナショナルスクールに入学すれば自然に高い英語力が身につく」「どの学校でも同じような国際教育を受けられる」といった期待は、実際の教育環境と一致するとは限りません。
英語を主な教育言語とする学校でも、生徒に求める英語力やEAL(English as an Additional Language)の支援体制は異なります。日本語教育の位置づけ、カリキュラム、評価方法、大学進学への支援についても、学校によって違いがあります。
そのため、学校を検討する際には、「インターナショナルスクールだから」という理由だけではなく、その学校がどのような教育を行い、家庭が子どもの教育に求めるものとどのように合っているのかを具体的に確認する必要があります。
後悔しやすい保護者のパターン
学校選びで注意したいのは、一つの条件だけを重視して判断することです。たとえば、英語力の習得だけを目的として学校を選ぶ、授業料だけを見て教育費を判断する、複数の学校を比較せずに決める、といった場合には、入学後に想定していなかった違いに気づく可能性があります。
学校のウェブサイトや資料から基本的な情報を確認したうえで、可能であれば複数の学校を見学し、カリキュラム、教育方針、言語環境、学費、進路などを比較すると、それぞれの学校の違いが明確になります。 家族のなかでも、子どもの教育に何を求めるのか、どのような環境が子どもに合っているのかをあらかじめ整理しておくことが、学校を比較する際の基準になります。
インターナショナルスクールでよくある後悔の7つの原因と対策

インターナショナルスクールには、英語を使って学ぶ環境や、多様な文化的背景を持つ人々と学ぶ機会などがあります。同時に、学費、言語教育、家庭と学校とのコミュニケーション、その後の進路など、入学前に具体的に確認しておきたい事項もあります。
ここでは、入学後の後悔につながりやすい7つのケースについて、その背景と確認すべきポイントを整理します。
後悔1:学費・費用が想定以上にかかった
インターナショナルスクールに必要な費用は、授業料だけではありません。学校によっては、入学金、施設費、教材費、スクールバス代、課外活動費、校外学習や宿泊行事などの費用が別途必要になります。
教育費を検討する際には、1年間の授業料だけでなく、在籍期間全体を通じて必要となる費用を考えることが重要です。学年が上がることで授業料や諸費用が変わる学校もあるため、現在の金額だけではなく、その後の学年についても確認しておくと長期的な見通しを立てやすくなります。
入学前には、授業料と諸費用を含めた年間の総額を確認し、何年間在籍する可能性があるのかも含めて家庭の教育費を検討するとよいでしょう。
また、就学前の子どもについては、施設や家庭の条件によって幼児教育・保育に関する公的支援の対象となる場合があります。対象条件や支援内容については、自治体などの最新情報を確認する必要があります。
後悔2:英語力が思ったほど伸びなかった
インターナショナルスクールに在籍することだけで、すべての子どもの英語力が同じように伸びるわけではありません。入学時の英語力、年齢、学習経験、学校の言語環境、EALの支援体制など、さまざまな要素が英語による学習に関係します。
また、英語力には、日常的なコミュニケーションだけでなく、文章を読み、教科内容を理解し、自分の考えを説明したり文章にまとめたりする力も含まれます。会話が流暢になったことだけを英語力の基準とすると、学習言語としての英語の発達を十分に捉えられない場合があります。
学校を選ぶ際には、授業で英語がどのように使われているか、生徒にどの程度の英語力を求めているか、EALなどの支援がどの学年でどのように提供されているかを確認することが重要です。
子どもの現在の英語力と、入学後に求められる英語力との間に差がある場合には、どのような支援を受けながら通常の授業に参加していくのかについても確認しておくとよいでしょう。
後悔3:日本語力・日本人としての素養が育たなかった
英語を主な教育言語とするインターナショナルスクールでは、日本の学校と比べて、日本語で学ぶ時間が少なくなる場合があります。日本語の語彙、漢字、読解、文章表現などをどの程度学ぶかは、学校のカリキュラムによって異なります。
また、日本語の発達は、学校教育だけで決まるものではありません。家庭で使用する言語、読書習慣、日本語を使う相手や場面なども関係します。複数の言語を使って成長する子どもの言語発達には個人差があり、単純に英語と日本語のどちらか一方の能力だけで判断することは適切ではありません。
家庭が日本語の読み書きや、日本語を通した文化・社会についての学習を重視する場合には、学校の日本語教育がどのように構成されているかを確認することが大切です。必要に応じて、日本語での読書や家庭学習、学校外での学習機会などを取り入れる方法もあります。
子どもの文化的なアイデンティティについても、国籍や使用言語だけで単純に捉えるのではなく、複数の言語や文化に触れて育つ経験そのものを含めて考えることが重要です。
後悔4:保護者の英語力が追いつかなかった
インターナショナルスクールでは、学校からの連絡、保護者面談、学校行事などで英語が使われることがあります。学校によっては、保護者同士のコミュニケーションも主に英語で行われます。
特に子どもが低年齢の場合には、家庭と学校との情報共有が重要です。保護者が学校からの連絡を十分に理解できない場合、学習や学校生活について必要な情報を把握しにくくなる可能性があります。
英語でのコミュニケーションに不安がある場合には、日本語を話すスタッフの有無だけでなく、学校からの連絡、保護者面談、緊急時の対応などについて、日本語による支援がどの程度受けられるのかを入学前に確認するとよいでしょう。
同時に、学校で日常的に使われる英語に保護者自身が少しずつ慣れていくことで、教師や学校とのコミュニケーションの幅を広げることもできます。
後悔5:卒業後の進路・大学受験で行き詰まった
インターナショナルスクールから日本または海外の大学へ進学する場合には、在籍する学校の教育課程、取得できる資格、学校の認定状況、志望する大学の出願資格などを確認する必要があります。
日本国内のインターナショナルスクールは、学校教育法上の位置づけや教育課程が学校によって異なります。また、日本の大学への入学資格には複数の制度や条件があり、国際的な学校認定機関による認定、国際的な教育資格の取得などが関係する場合があります。
そのため、「インターナショナルスクールを卒業すれば、どの大学にも同じ条件で出願できる」と考えるのではなく、学校がどのような卒業資格や教育課程を提供しているのかを確認することが重要です。
日本の大学への進学を考えている場合には、希望する大学や学部の出願資格・入試方式を早い段階から確認し、学校がどのような進路指導を行っているかも調べておくとよいでしょう。海外大学への進学についても、国や大学によって求められる資格や科目、成績などが異なるため、同様に早期の確認が必要です。
後悔6:教員の質・授業レベルがばらついていた
インターナショナルスクールは、それぞれ異なるカリキュラムや教育方針に基づいて運営されています。教員に求める資格や経験、採用基準、研修制度、授業の評価方法なども学校によって異なります。
教育の質を判断する際には、個々の教員の経歴だけを見るのではなく、学校全体としてどのように教育の質を維持しているのかを確認することが重要です。カリキュラムがどのように計画されているか、生徒の学習をどのように評価しているか、教員がどのような研修や専門的な学びを継続しているかなども確認材料になります。
IB認定校の場合には、認定されたIBプログラムについて、IBが定める枠組みや基準に沿って教育を行います。また、CISなどの学校認定を受けている場合には、教育や学校運営について外部機関による評価を受けています。
ただし、認定を受けていることだけで個々の授業の質が決まるわけではありません。学校見学では、教師と生徒の関係、生徒が授業にどのように参加しているか、学習成果をどのように把握しているかなど、実際の教育を見ることも大切です。
後悔7:卒業後に英語力が低下した
英語を日常的に使用する学校から、日本語を中心とする学校や生活環境へ移ると、英語を使う頻度が大きく変わることがあります。言語は使用する機会と深く関係しているため、英語に触れる時間が少なくなれば、それまで身につけた力の一部を維持しにくくなることもあります。
特に、教科書や専門的な文章を読む、論理的な文章を書く、複雑な内容について議論するといった学習言語としての英語は、日常会話とは異なる機会を必要とします。
卒業後や転校後も英語力を維持したい場合には、英語で本を読む、文章を書く、映画やニュースなどのコンテンツに触れる、英語を使って人と交流するなど、継続的に英語を使用する環境をつくることが重要です。 子どもの年齢や英語力によって必要な方法は異なるため、英会話だけに限定せず、読む・書く・聞く・話すという複数の形で英語を使い続けられる環境を考えるとよいでしょう。
後悔しないためのインターナショナルスクール選び

インターナショナルスクールを比較する際には、家庭が教育において何を重視するのかを明確にしたうえで、学校ごとの違いを具体的に確認することが重要です。特に、次の7つの項目は入学前に確認しておきたいポイントです。
- 学校や教育プログラムの認定状況
国際バカロレア(International Baccalaureate:IB)などのプログラム認定や、国際的な学校認定機関であるCouncil of International Schools(CIS)、**Western Association of Schools and Colleges(WASC)**などによる学校認定について確認します。認定の種類によって対象や意味が異なるため、認定の有無だけでなく、どのプログラムや学校運営のどの領域を対象とする認定なのかを理解することが大切です。 - 学校の法的な位置づけと卒業後の資格
日本の学校教育法上の位置づけや、卒業時に得られる資格、その資格が希望する進路にどのように関係するかを確認します。 - 卒業後の進路と進学支援
卒業生がどのような進路を選んでいるのかに加え、大学や次の学校への進学について、どのようなガイダンスやサポートが行われているかを確認します。 - 日本語教育の内容
日本語がカリキュラムのなかでどのように位置づけられているか、対象学年、授業時間、習熟度に応じた指導などを確認します。 - 英語を追加言語として学ぶ生徒へのサポート
EALなどの支援について、対象学年、利用条件、指導方法、通常の授業との関係を確認します。 - 保護者への言語サポートと学校とのコミュニケーション
学校からの連絡や保護者面談で使用される言語、日本語による支援の有無などを確認します。 - 年間および長期的な教育費
授業料だけでなく、入学金、施設費、教材費、スクールバス、課外活動などを含め、在籍期間全体で必要となる費用を確認します。
学校見学やスクールツアーは、これらの情報を確認するとともに、ウェブサイトや資料だけでは分かりにくい学校の教育環境を理解する機会にもなります。可能であれば、教師と生徒の関係、生徒が授業に参加する様子、言語環境なども実際に確認するとよいでしょう。
インターナショナルスクールに入学してから後悔してしまった場合どうすれば?

入学後に想定していなかった問題が見つかった場合には、まず何が問題になっているのかを具体的に整理することが大切です。日本語や英語の学習、教科学習、学校生活への適応、友人関係、家庭と学校とのコミュニケーションなど、課題によって必要な対応は異なります。
学習面の課題であれば、担任や担当教員と現在の状況を共有し、学校でどのような支援が可能かを確認します。日本語や英語について追加の学習が必要な場合には、学校内の支援に加え、家庭での学習や学校外の教育機会を組み合わせる方法もあります。
また、子どもの状況を考える際には、課題だけに注目するのではなく、その学校でどのような学習経験を積み、どのような力を身につけているのかも見ることが重要です。英語を使った学習、異なる考え方との出会い、自分の考えを表現する経験など、学校生活のなかで得られているものも含めて考えることで、現在の環境をより総合的に評価できます。
学校との相談や家庭での支援を続けても子どもの教育上のニーズと学校環境との間に大きな違いがある場合には、転校を含めて別の教育環境を検討することも選択肢の一つです。重要なのは、入学時の判断にこだわることではなく、その時点での子どもの状況をもとに教育環境を考えることです。
後悔しない選択のために——代々木インターナショナルスクールの環境

代々木インターナショナルスクールは、国際バカロレア(IB)のPrimary Years Programme(PYP:初等教育プログラム)認定校です。PYPの枠組みに基づき、生徒が問いを持ち、調べ、考え、対話しながら理解を深めていく探究型の学習を行っています。また、Middle Years Programme (MYP: 中等教育プログラム)の認定候補校です。国際的な学校認定機関であるCouncil of International Schools(CIS)の認定も受けています。
英語を主な教育言語としながら、日本語もカリキュラムに組み込まれています。日本語を母語とする生徒と、日本語を追加言語として学ぶ生徒では学習内容が異なり、それぞれの言語習熟度に応じた日本語教育を行っています。また、英語を追加言語として学ぶ生徒には、EAL(English as an Additional Language)のサポートを提供しています。
少人数の学習環境のなかで、教師が生徒一人ひとりの学習の過程を把握し、生徒が自分の考えを表現したり、他者の考えに耳を傾けたりする機会を大切にしています。 学校について検討する際には、カリキュラムや制度についての情報だけでなく、実際の教育環境を見ることも重要です。スクールツアーでは、教師と生徒の関係、生徒がどのように授業に参加しているか、PYPの探究が日々の学習のなかでどのように実践されているかなどを確認することができます。
まとめ
インターナショナルスクールへの入学後に後悔につながりやすい点として、想定を上回る教育費、英語力に対する期待との違い、日本語教育、保護者と学校とのコミュニケーション、卒業後の進路、教員や授業に対する期待、卒業後の英語力の維持などが挙げられます。
こうした問題を考えるうえで重要なのは、「インターナショナルスクール」という一つのカテゴリーで学校を捉えないことです。カリキュラム、認定、言語教育、教員体制、進路支援、学費などは学校によって異なり、その違いが子どもの教育経験に直接関わります。
学校のウェブサイトや資料から基本情報を確認し、複数の学校を比較することで、それぞれの特徴はより明確になります。さらに学校見学では、学校が掲げる教育方針やカリキュラムが、実際の授業、教師と生徒の関係、生徒の学びのなかにどのように表れているかを確認することができます。 学校選びでは、知名度や英語環境といった一つの条件だけで判断するのではなく、子どもの年齢、学び方、言語環境、教育上のニーズ、家庭が大切にすること、そしてその後の進路まで含めて考えることが、より適切な教育環境を選ぶための基礎になります。
カリキュラム






