2027-28 Applications Open | November 1st | Pre-K to Grade 10

ディプロマ・プログラム(DP)とは?仕組み・6教科・3つのコア科目・進学実績をわかりやすく解説

What Is the IB Diploma Programme (DP)? Understanding Its Structure, Six Subject Groups, Three Core Components, and University Pathways
in english

ディプロマ・プログラム(Diploma Programme:DP)は、16〜19歳の生徒を対象とする、国際バカロレア(International Baccalaureate:IB)の2年間の教育プログラムです。6つの教科と3つのコア要素から構成され、教科の知識を深めるとともに、批判的に考える力、探究する力、自ら研究を進める力を育むことを重視しています。

DPの特徴は、カリキュラムの内容だけでなく、科目の選択方法や評価の仕組み、大学への出願資格との関係にもあります。特に大学進学を考える際には、どの科目をHL(Higher Level:上級レベル)で履修するかが、大学や学部の出願要件に関わる場合もあります。 本記事では、DPの基本的な仕組み、6つの教科グループ、Theory of Knowledge(TOK:知の理論)、Extended Essay(EE:課題論文)、Creativity, Activity, Service(CAS:創造性・活動・奉仕)からなる3つのコア要素、評価方法、日本および海外の大学進学との関係について解説します。

Table of Contents

ディプロマ・プログラム(DP)とは

ディプロマ・プログラム(Diploma Programme:DP)は、16〜19歳の生徒を対象とする、国際バカロレア(International Baccalaureate:IB)の2年間の教育プログラムです。大学進学を視野に入れ、幅広い分野の学習と、選択した科目をより深く学ぶことの両方を重視したカリキュラムで構成されています。

カリキュラムは6つの教科グループと「DPコア」で構成されています。DPコアには、Theory of Knowledge(TOK:知の理論)、Extended Essay(EE:課題論文)、Creativity, Activity, Service(CAS:創造性・活動・奉仕)の3つの必修要素があります。所定の科目を履修し、DPコアを修了したうえで、IBが定める評価基準とディプロマ取得要件を満たした生徒には、IBディプロマが授与されます。

DPでは、英語、フランス語、スペイン語を主な実施言語としています。日本では、文部科学省とIBの協力により、一部の科目を日本語で履修できる「日本語DP」も実施されています。

IBの4プログラムにおけるディプロマ・プログラム(DP)の位置づけ

IBは、年齢や教育段階に応じて4つの教育プログラムを提供しています。

  • PYP(Primary Years Programme:初等教育プログラム):3〜12歳
  • MYP(Middle Years Programme:中等教育プログラム):11〜16歳
  • DP(Diploma Programme:ディプロマ・プログラム):16〜19歳
  • CP(Career-related Programme:キャリア関連プログラム):16〜19歳

このうちDPは、16〜19歳の生徒を対象とする2年間のプログラムで、幅広い教科学習と専門性を深める学びを通して、大学以降の教育へとつながる力を育みます。

PYP、MYP、DPは、それぞれの年齢や教育段階に応じて構成されています。いずれのプログラムにおいても、探究を通じた学習、概念的な理解、批判的思考、自己管理などを重視しており、学習の内容や求められる思考の深さは、教育段階に応じて発展していきます。

DPでは、こうしたIBの教育理念を基盤として、各教科をより専門的に学ぶとともに、自ら問いを設定して研究を進め、根拠に基づいて考えを論理的に表現することが求められます。

日本国内のディプロマ・プログラム(DP)認定校の現状

文部科学省IB教育推進コンソーシアムによると、2026年6月30日時点で、日本国内のDP認定校は80校、候補校は6校です。IB認定校には、学校教育法第1条に定められた「一条校」と、インターナショナルスクールなどを含む非一条校があります。

また、同コンソーシアムの公表資料では、2026年6月時点で、IB認定校は世界163の国・地域に約6,200校あります。IBの各プログラムはそれぞれ認定を受ける仕組みで、学校によって実施しているプログラムは異なります。PYP、MYP、DP、CPのすべてを実施する学校もあれば、そのうち一つ、または複数のプログラムを実施する学校もあります。

ディプロマ・プログラム(DP)のカリキュラム

ディプロマ・プログラム(DP)のカリキュラム

DPのカリキュラムは、学問領域の幅広さと、選択した分野を深く学ぶことの両方を重視して設計されています。生徒は6科目を履修し、そのうち3〜4科目をHL(Higher Level:上級レベル)、残りをSL(Standard Level:標準レベル)として学びます。さらに、すべてのDP生がTOK、EE、CASからなるDPコアに取り組みます。

6つの教科グループとHL・SLの仕組み

DPでは、教科を次の6つのグループに分類しています。

  • グループ1:言語と文学(Studies in Language and Literature)
  • グループ2:言語習得(Language Acquisition)
  • グループ3:個人と社会(Individuals and Societies)
  • グループ4:理科(Sciences)
  • グループ5:数学(Mathematics)
  • グループ6:芸術(The Arts)

生徒は、この枠組みに基づいて6科目を選択します。グループ1から5については原則として各グループから科目を履修し、グループ6の芸術については、他の教科グループ (理科、個人と社会、言語) から追加の科目を選択することも認められています。また、一部の学際的な科目は、二つの教科グループの要件を同時に満たします。

6科目のうち3〜4科目をHL、残りをSLとして履修します。IBが示す推奨授業時間は、HLが各科目240時間、SLが各科目150時間です。HLでは、より広い範囲の知識、理解、技能を扱うため、将来大学で学びたい分野との関係を考えながら科目を選択することが重要になります。

科目選択のポイント——将来の進路との関係を考える

DPにおける科目選択は、その後の大学進学にも影響します。大学や学部によっては、出願要件として特定の科目をHLで履修していることや、その科目で一定以上の成績を取得していることを求めています。

例えば、理工系や医学系では数学や理科の特定科目、人文・社会科学系では専攻に関連する科目について、履修レベルや成績が出願条件に含まれる場合があります。 科目を選択する際には、生徒自身の関心や得意分野に加え、進学を検討している大学や学部の出願要件を確認することが重要です。

ディプロマ・プログラム(DP)の3つのコア要素

ディプロマ・プログラム(DP)の3つのコア要素

DPでは、6教科の学習に加え、「DPコア」と呼ばれる3つの必修要素がカリキュラムに組み込まれています。DPコアは、Theory of Knowledge(TOK:知の理論)、Extended Essay(EE:課題論文)、Creativity, Activity, Service(CAS:創造性・活動・奉仕)で構成されています。DPコアは、教科学習だけでは得られない思考、研究、実践をDPの学びに組み込む役割を担っています。

一般に「3つのコア科目」と表現されることもありますが、IBの正式な表現は**three core components(3つのコア要素)**です。TOKは授業として学び、EEは独立した研究として、CASは継続的な活動として取り組むため、それぞれ異なる性質を持っています。

TOK(Theory of Knowledge:知の理論)

Theory of Knowledge(TOK:知の理論)は、知識とはどのようなものか、そして私たちは「知っている」とすることをどのように知るのかを考察するDPコアの必修要素です。IBはTOKを、DPの教育理念において中心的な位置を占めるものとしています。

TOKでは、「何を証拠とみなすのか」「ある主張やモデルをどのような基準で評価するのか」といった問いを通して、知識が形成される過程を検討します。また、自分自身が持つ前提や価値観を意識し、異なる文化的・知的視点から知識を考察することも重要な学習の一部です。

評価は、TOK exhibition(TOK展示)と1,600語のエッセイによって行われます。TOKの最終評価はA〜Eで示され、EEの評価との組み合わせによって、DPの総合点に最大3点が加算されます。

EE(Extended Essay:課題論文)

Extended Essay(EE:課題論文)は、生徒が自ら設定した研究課題について独立した調査・研究を行い、その成果を最大4,000語の論文としてまとめるDPコアの必修要素です。

生徒は研究課題を設定し、適切な資料や情報を収集・検討し、分析を行い、その結果を一貫した論理に基づいて論文として構成します。この過程を通して、研究の進め方、情報を批判的に検討する力、学術的な文章を構成する力など、大学以降の学習にもつながる研究の基礎を身につけていきます。

EEはA〜Eで評価され、TOKとの組み合わせによってDPの総合点に最大3点が加算されます。

CAS(Creativity, Activity, Service:創造性・活動・奉仕)

Creativity, Activity, Service(CAS:創造性・活動・奉仕)は、DPの2年間を通して、生徒が教科学習とは異なる経験に継続的に取り組む必修要素です。

Creativity は創造的な活動、Activity は身体的活動、Service は他者やコミュニティとの関わりを伴う活動を意味します。IBでは、CASを生徒がそれぞれの領域に関連する活動に参加し、経験を重ねるDPコアの一部として位置づけています。CASには点数による評価はありません。所定の要件を満たすことがIBディプロマ取得の条件に含まれています。

ディプロマ・プログラム(DP)の評価の仕組み

ディプロマ・プログラム(DP)の評価の仕組み

DPでは、最終試験に加えて、授業期間中に行われる課題、研究、口頭評価、実験・調査など、科目の特性に応じた複数の方法によって学習成果を評価します。多くの科目では、DP修了時に行われる筆記試験が評価の重要な部分を占めています。

評価には、学校で実施・採点される内部評価と、IBが直接採点する外部評価があります。内部評価についても、学校間で評価基準の一貫性を保つため、IBによるモデレーション(評価結果の確認・調整)が行われます。

スコアの配点構造

DPの最終スコアは45点満点です。

  • 6教科:各1〜7点、合計最大42点
  • TOKとEE:評価の組み合わせにより最大3点
  • CAS:点数評価は行わず、所定の要件を満たすことが必要

IBディプロマの取得には、合計24点以上に加え、IBが定めるすべての取得要件を満たす必要があります。TOKとEEの評価、CASの修了、HL・SL科目の成績などについても基準が設けられています。そのため、最終的なディプロマ取得は総合点と各要件の双方に基づいて決定されます。

内部評価(IA)と外部評価(EA)

DPでは、**Internal Assessment(IA:内部評価)とExternal Assessment(EA:外部評価)**を組み合わせて生徒の学習成果を評価します。

IAの内容は科目によって異なり、口頭評価、実験、調査、数学的探究などが含まれます。学校の教員が採点するIAについては、IBがモデレーションを行い、国や学校が異なっても共通の評価基準が適用される仕組みが設けられています。

EAには、DP修了時に行われる筆記試験に加え、IBの試験官が直接評価する課題も含まれます。TOKエッセイやEEも外部評価の対象です。

DPの試験は、5月と11月の年2回実施されます。IBの2026年の公式情報では、5月試験については7月5日、11月試験については12月16日が、大学等への成績提供に関する基準日として示されています。

ディプロマ・プログラム(DP)の大学受験への活用

ディプロマ・プログラム(DP)の大学受験への活用

IBディプロマは、日本を含む世界各国の大学で、出願資格や入学者選抜に利用されています。評価方法は大学や学部によって異なり、IBディプロマの取得、総合点、特定のHL科目とその成績などが出願要件として設定される場合があります。

そのため、DPでの科目選択と大学進学は密接に関係しています。進学を希望する大学や学部が具体化する段階で、最新の出願資格や科目要件を確認することが重要です。

日本の大学でもIBを活用した入試が広がっている

文部科学省IB教育推進コンソーシアムでは、日本国内でIBのスコア等を活用した大学入学者選抜を実施する大学と、それぞれの入試概要を公表しています。最新の掲載情報は2025年1月時点の実施状況に基づいており、国立・公立・私立の大学でIBを活用した入学者選抜が行われています。

IBの活用方法は大学によって異なります。IBディプロマを出願資格とする大学、総合点や特定のHL科目について基準を設ける大学、IBの成績をその他の出願資料とあわせて評価する大学などがあります。

大学や学部によって募集要項や出願条件が変更されることもあるため、実際の出願に際しては、各大学が公表する最新の入試情報を確認する必要があります。

海外大学への出願とIBディプロマ

IBディプロマは、世界各国の大学で広く認知されています。大学や学部によって、ディプロマの総合点に加え、特定のHL科目とその成績が出願要件として定められています。

また、文部科学省IB教育推進コンソーシアムによると、海外の大学では、HL科目で一定の成績を取得した学生に対し、該当する大学科目の履修免除や単位認定を行う例もあります。

IBディプロマは、特定の国の大学制度だけを前提とした資格ではありません。複数の国や教育制度を視野に入れて大学進学を考える生徒にとって、国際的に認知された資格を取得できることは、DPの特徴の一つです。

ディプロマ・プログラム(DP)に向けた準備

DPでは、6教科の学習と並行してTOK、EE、CASに取り組みます。複数の課題や評価が2年間を通して進むため、学習計画を立て、自ら進捗を管理する力が重要になります。

DPへの準備として大切なのは、一定の学習時間を一律に確保することよりも、自ら問いを立てて調べること、複数の情報を吟味すること、考えを論理的に文章で表現すること、長期的な課題を計画的に進めることなど、DPで求められる学び方に徐々に習熟していくことです。

MYPを含む探究型の教育では、こうした学び方を中等教育段階から経験します。PYP、MYP、DPを通してIB教育を継続する場合には、それぞれの教育段階で培った探究、思考、コミュニケーション、自己管理などの力を、その後のより高度な学習へと発展させていくことができます。

代々木インターナショナルスクールのPYP教育が育む、これからの学びの土台

代々木インターナショナルスクールのPYP教育が育む、これからの学びの土台

代々木インターナショナルスクールは、国際バカロレア(IB)のPrimary Years Programme(PYP:初等教育プログラム)認定校で、Middle Years Programme (MYP: 中等教育プログラム)の認定候補校です。

PYPでは、生徒が自ら問いを持ち、探究を進め、考えたことを他者と共有しながら理解を深めていく学習を重視しています。知識を身につけることに加え、その知識をどのように捉え、関連づけ、活用するかという学びの過程も大切にされています。

PYP、MYP、DPは、それぞれ異なる年齢段階を対象とする独立したIBプログラムです。同時に、探究する姿勢、批判的に考える力、コミュニケーション、自己管理など、教育段階を越えて継続的に発展していく学びの要素があります。

代々木インターナショナルスクールでは、PYPの枠組みのもと、生徒が自ら考え、問いを深め、他者との対話を通して学びを発展させていく教育を行っています。こうした学習経験は、その後どのような教育課程に進む場合にも、より高度な学習に向かうための基礎となります。 スクールツアーでは、PYPの教育理念やカリキュラムが、授業や教師と生徒の関わりのなかでどのように実践されているのかを知ることができます。

まとめ

ディプロマ・プログラム(DP)は、16〜19歳を対象とする2年間のIB教育プログラムです。6つの教科を履修するとともに、TOK、EE、CASからなるDPコアに取り組み、幅広い知識と専門性を深めながら、批判的思考、探究、研究、自己管理など、大学以降の学びにもつながる力を発展させていきます。

IBディプロマは、日本および海外の大学への出願に広く利用されています。求められる総合点やHL科目、個別科目の成績は大学や学部によって異なるため、将来の進路が具体的になってきた段階では、大学の出願要件とDPの科目選択との関係を確認することが重要です。

DPへの準備には、自ら問いを立てること、情報を吟味すること、考えを論理的に表現すること、長期的な課題を計画して進めることなど、時間をかけて形成される学び方も含まれます。

DPを理解する際には、大学入学資格としての側面に加えて、16〜19歳という教育段階において何を、どのように学ぶプログラムなのか、その学習経験がその後の教育にどのようにつながっていくのかという視点を持つことが大切です。

カリキュラム

about the author
author_yuko_san

ミュア 裕子(MUIR YUKO)
国際心理学博士(Ph.D.)
代々木インターナショナルスクール | 創業者 & 代表取締役・CEO

1999年に代々木インターナショナルスクールを設立し、27年にわたり国際教育と学校経営に従事。国際心理学博士(Ph.D.)の知見と現場での豊富な経験を活かし、教育のあり方や課題について幅広く考察・発信しています。

 

Table of Contents