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インターナショナルスクールと帰国子女|入学の流れ・進学ルート・英語維持の方法を解説

International Schools and Returnee Students: Admissions, Educational Pathways, and Maintaining English Proficiency
in english

海外で生活し、現地の学校で学んできた子どもにとって、日本への帰国は生活環境だけでなく、学ぶ言語や教育環境が大きく変わる転機でもあります。「海外で身につけた英語力を帰国後も維持したい」「帰国後もインターナショナルスクールで学び続けることはできるのだろうか」と考える保護者の方も少なくありません。

帰国後の学校選びでは、英語力だけを見るのではなく、子どもがこれまでどのような言語環境で学んできたのか、日本語と英語をそれぞれどの程度使えるのか、そして将来どのような進路を考えているのかを総合的に捉えることが大切です。

本記事では、帰国子女の定義やインターナショナルスクールへの入学、帰国後の学校選び、英語力の維持と日本語とのバランス、さらに将来の進学まで、帰国後の教育環境を考えるうえで知っておきたいポイントを整理します。

Table of Contents

帰国子女とは?インターナショナルスクールとの関係を整理する

帰国子女とはどのような子どもを指し、帰国後にはどのような教育の選択肢があるのでしょうか。まずは帰国子女の定義や帰国後の学校選び、インターナショナルスクールへの入学について整理します。

「帰国子女」の定義と文科省の公式基準

「帰国子女」には法律上の統一された定義はありません。文部科学省の学校基本調査では、海外勤務者等の児童・生徒のうち、引き続き1年以上海外に在留し、調査対象年度の前年度中に帰国した児童・生徒を帰国児童生徒として集計しています。一般には、保護者の海外赴任などに伴って海外で一定期間生活し、その後日本へ戻った子どもを指す言葉として広く使われています。

一方、「帰国生入試」の出願資格は学校ごとに定められており、文部科学省の統計上の定義と必ずしも一致するものではありません。海外での在留期間や帰国後の年数など、学校によって条件が異なるため、入学や受験を検討する際には、各校の最新の募集要項を確認することが大切です。

毎年約1万人が帰国——帰国子女を取り巻く現状

文部科学省の2024年度学校基本調査によると、2024年度間(2024年4月〜2025年3月)に帰国し、2025年5月1日時点で国内の学校に在籍している帰国児童生徒数は1万988人(前年度比9.8%増)でした。毎年多くの子どもたちが海外での生活を終えて日本に戻り、新たな教育環境を選んでいます。

帰国後の教育選択肢としては、主に次のようなものがあります。

① 日本の公立・私立学校への編入
② 日本の学校に通いながら、英語学習などを補完する教育機会を利用する
③ インターナショナルスクールへの入学

なかでもインターナショナルスクールは、海外で英語を主な学習言語として学んできた子どもにとって、それまでの学習経験とのつながりを保ちやすい選択肢のひとつです。

では、インターナショナルスクールへの入学を検討する場合、どのような点を確認する必要があるのでしょうか。次に、帰国子女がインターナショナルスクールへ入学する際の条件や選考について見ていきます。

インターナショナルスクールの入学条件と帰国子女の選考

インターナショナルスクールの入学条件や選考方法は、学校によって異なります。海外滞在歴を出願資格のひとつとしている学校もあれば、海外滞在歴を問わず、英語力やこれまでの学習状況などをもとに選考する学校もあります。そのため、帰国子女がインターナショナルスクールへの入学を検討する際には、各校の入学条件や選考方法を確認することが重要です。

また、帰国子女であること自体が、必ずしも入学時の優遇につながるわけではありません。海外での学習経験や英語力が考慮される場合もありますが、面接、英語力の確認、作文など、ほかの志願者と共通する選考方法が用いられる学校もあります。

一方、特定の海外滞在歴を必要とせず、日本で育った子どもでも一定の英語力や学習面の条件を満たせば出願できるインターナショナルスクールもあります。「帰国子女でなければ入学できない」というイメージは、必ずしもすべての学校に当てはまるものではありません。

学校を選ぶ際には、出願資格だけでなく、子どものこれまでの学習経験、現在の英語力や日本語力、学校の教育方針などを総合的に確認することが大切です。

帰国子女にとってのインターナショナルスクールのメリット

帰国子女にとってのインターナショナルスクールのメリット

帰国後も海外で身につけた英語力や学習習慣を継続したい場合、インターナショナルスクールは選択肢のひとつとなります。ここでは、言語環境だけでなく、帰国後の適応や将来の進路という観点から、その特徴を見ていきます。

海外で身につけた英語力をそのまま伸ばせる環境

海外で英語を使って学んできた子どもが日本の学校へ編入すると、日常生活や学校で英語を使う時間が大きく減ることがあります。特に、英語で読んだり、書いたり、考えたりする経験が少なくなると、それまで身につけてきた学習言語としての英語を維持することが難しくなる場合があります。

英語を主な学習言語とするインターナショナルスクールでは、授業や学校生活を通して継続的に英語を使うため、海外で培った英語力を帰国後も維持し、さらに伸ばしていく環境を確保しやすくなります。

帰国後のアイデンティティーの混乱を減らせる

海外で長く生活した子どもの中には、帰国後、日本の学校文化や人間関係に戸惑いを感じることがあります。海外で身につけた考え方やコミュニケーションの仕方と、日本で求められる振る舞いとの違いに気づき、自分がどこに属しているのか、と「アイデンティティー」を考える時期を経験する子どももいます。

多様な文化的・言語的背景を持つ子どもたちが学ぶインターナショナルスクールでは、異なる経験や価値観を持つことが日常の一部となっています。そのような環境は、帰国した子どもが海外での経験を自分の一部として受け止めながら、新しい環境に適応していくうえで支えとなることがあります。

もちろん、帰国後の適応の仕方は子どもによって異なります。学校を選ぶ際には、言語面だけでなく、子どもが安心して学び、人間関係を築ける環境かどうかを見極めることも大切です。

海外大学・国内大学どちらにも対応できる進路設計が可能

国際バカロレア(IB)のディプロマ・プログラムや、英国のGeneral Certificate of Education Advanced Level(GCE A Level)など、国際的に認知された教育課程や資格につながるプログラムを提供するインターナショナルスクールもあります。こうした学校では、海外大学への出願に加え、出願資格を満たす場合には、日本国内の大学が設ける帰国生選抜や英語による学位プログラムなどを検討することもできます。

特に中学校・高等学校段階で帰国する場合には、入学する学校の教育課程や卒業資格が、その後の大学出願にどのようにつながるのかを早い段階で確認しておくことが重要です。国内大学か海外大学かを早くから一つに決める必要はありませんが、将来考えられる進路を踏まえて学校を選ぶことで、後の選択肢を確保しやすくなります。

帰国子女のインターナショナルスクール選び——2つの「言語タイプ」で考える

帰国子女のインターナショナルスクール選び——2つの「言語タイプ」で考える

帰国子女の学校選びでは、「帰国子女だからインターナショナルスクール」と一律に考えるのではなく、子どもがこれまでどのような言語環境で学んできたのかを丁寧に見ることが大切です。英語と日本語の力は、会話、読解、作文、教科学習などによっても異なります。現在の言語環境と将来の進路の両方を踏まえ、子どもに合った学習環境を選ぶことが大切です。

英語中心か、日本語中心かで選ぶ進学ルート

帰国後の学校選びを考える際には、子どもが英語と日本語をそれぞれどのような場面で、どの程度使っているのかを確認することが大切です。日常会話では日本語を自然に使えていても、読解や作文、理科や社会などの教科学習では英語の方が理解しやすい子どももいます。その逆の場合もあります。

ここでは学校選びを考えやすくするために、学習において英語をより使いやすい「英語中心」の場合と、日本語をより使いやすい「日本語中心」の場合に分けて考えます。ただし、子どもの言語能力は必ずしもどちらか一方に明確に分かれるものではなく、年齢や学習経験、家庭で使う言語などによっても変化します。

大切なのは、どちらかのタイプに当てはめることではなく、子どもが現在どの言語で最も安心して学び、考え、表現できるのかを見極めることです。

英語中心で学んできた帰国子女に向く進学ルート

英語を主な学習言語として学んできた帰国子女には、インターナショナルスクールのほか、日本の学校制度の中で主要科目を英語で学べる学校など、複数の選択肢があります。

インターナショナルスクールを選ぶ場合には、これまでの学習環境との連続性を保ちやすいという利点があります。一方、日本の学校教育法第一条に定められた学校で、英語による教育に力を入れている学校を選ぶ場合には、日本の学校制度に基づく卒業資格を得ながら、英語を使った学びを継続できる場合があります。

どちらが適しているかは、子どもの英語力だけでなく、日本語力、これまでの教育課程、将来考えている大学進学先などによって異なります。インターナショナルスクールを検討する場合には、学校の法的な位置づけや認定状況、卒業後の大学入学資格への影響についても、入学前に確認しておくことが重要です。

日本語中心で学んできた帰国子女に向く進学ルート

日本語を主な学習言語としてきた帰国子女の場合には、日本語で教科学習を続けながら、海外で身につけた英語力を伸ばせる学校も有力な選択肢となります。帰国生を積極的に受け入れている私立・国公立の学校の中には、英語力に応じた授業や高度な英語学習の機会を設けているところもあります。

こうした環境では、日本語を基盤として教科学習を継続しながら、英語力も維持・発展させることができます。また、日本国内の一般選抜、学校推薦型選抜、帰国生を対象とした選抜など、さまざまな進路を検討しやすい場合があります。

学校選びの目的は、インターナショナルスクールに入学することそのものではありません。子どもが現在持っている言語の力を生かしながら、無理なく学び続け、その先の進路につなげられる環境を選ぶことが大切です。

インターナショナルスクール生の中学受験——2024年度からの重要なルール変更

インターナショナルスクール生の中学受験——2024年度からの重要なルール変更

インターナショナルスクールに通う帰国子女が中学受験を考える際には、帰国生入試の出願条件を早めに確認しておく必要があります。帰国生入試に関する基準や各校の募集要項は変更されることがあるため、帰国生入試以外の選択肢も含めて準備しておくことが大切です。

帰国生入試の条件が2024年度から厳格化された

2024年度以降、東京都内の私立中学校の帰国生入試では、東京都私立中学高等学校協会の申し合わせに基づき、「海外在留期間が1年以上で、帰国後3年以内」を基本とする出願資格を示す学校が見られます。

そのため、国内のインターナショナルスクールに在籍していても海外での在留経験がない場合や、海外での生活経験があっても帰国から一定期間が経過している場合には、帰国生入試の対象とならないことがあります。また、実際の出願資格や必要書類は学校ごとに異なります。

※入試要項は毎年変更される可能性があります。受験を検討する際には、必ず各校が公表する最新の募集要項をご確認ください。

帰国生入試が使えない場合の代替策——「英語入試」「国際生入試」の活用

帰国生入試の出願資格を満たさない場合でも、英語力や国際的な学習経験を生かせる入試を設けている学校があります。

代表的なものとして、一般入試の日程の中で英語を試験科目として選択できる「英語入試」や、英語力、海外経験、多文化的な学習経験などを評価する「国際生入試」「グローバル入試」などがあります。

名称や選考方法は学校によって異なり、英語資格、面接、作文、国語や算数などほかの科目を組み合わせる場合もあります。帰国生入試の条件だけで判断せず、子どもの強みを生かせる選抜方法がないか、幅広く確認してみるとよいでしょう。

帰国後の英語力維持——家庭とインターで取り組む実践策

帰国後の英語力維持——家庭とインターで取り組む実践策

帰国すると、生活の中で英語を使う機会が大きく減ることがあります。海外で培った英語力を長期的に維持し、さらに伸ばしていくためには、インターナショナルスクールと家庭の両方で、英語を読む、書く、聞く、話す機会を継続して確保することが大切です。

帰国後に英語力が急速に低下する理由

海外生活では、学校だけでなく、友人との会話、読書、映像、遊びなど、日常のさまざまな場面で英語に触れています。日本へ帰国すると、こうした英語との接触が大きく減り、使う頻度の低い語彙や表現から徐々に思い出しにくくなることがあります。

特に、日常会話で使う英語と、文章を読み、考えを整理し、教科内容を理解して表現するための英語では、必要とされる力が異なります。会話には不自由がなくても、英語での読書や作文、教科学習を継続しなければ、学習に必要な語彙や表現力を十分に伸ばし続けることが難しくなる場合があります。

そのため、帰国後は「英語を話す機会」だけでなく、年齢に応じた本を読むことや、英語で考えを書いたり、学んだりする機会を継続することが重要です。

インターナショナルスクールが提供する「英語保持環境」

英語を主な学習言語とするインターナショナルスクールでは、毎日の授業や友人・教員とのコミュニケーションを通して、英語を継続的に使う環境があります。家庭だけで同じ程度の英語使用時間を確保することは難しいため、海外で英語を使って学んできた子どもにとっては、学習言語としての英語を継続する方法のひとつとなります。

国際バカロレアの初等教育プログラム(Primary Years Programme)や中等教育プログラム(Middle Years Programme)などで取り入れられている探究を中心とした学びでは、問いを立て、資料を読み、自分の考えをまとめ、他者と話し合い、発表するといった活動が行われます。こうした学習を英語で継続することは、英語を単なる会話の手段としてではなく、考え、学ぶための言語として使い続けることにつながります。

家庭でも、年齢や興味に合った英語の本を読むことや、英語で映画やニュースに触れることなど、子どもが無理なく英語を使い続けられる環境を整えることが大切です。

日本語力も並行して維持することが真の「バイリンガル育成」

帰国後の英語力を維持することは大切ですが、日本で生活し、将来の進学や就職も視野に入れるのであれば、日本語の力を継続して育てることも同じように重要です。日常会話に不自由がなくても、学年が上がるにつれて、読解、作文、漢字、教科学習で使われる語彙など、より高度な日本語が求められるようになります。

英語か日本語のどちらか一方を優先するのではなく、子どもの現在の言語環境や将来の進路に応じて、両方の言語を継続的に育てていく視点が大切です。家庭で日本語の読書や会話の時間を確保することに加え、インターナショナルスクールを選ぶ場合には、日本語教育がカリキュラムの中でどのように位置づけられているかも確認しておきたい点のひとつです。

代々木インターナショナルスクールが提供する帰国子女に適した学習環境

代々木インターナショナルスクールが提供する帰国子女に適した学習環境

代々木インターナショナルスクールでは、探究を中心とした学びを日々の授業に取り入れており、海外で同様の学習環境を経験してきた帰国生にとっても、これまでの学びとのつながりを持ちやすい環境を整えています。また、少人数のクラス環境を生かし、帰国後の言語面や新しい学校環境への適応についても、一人ひとりの状況を見ながら支援しています。

日本語もカリキュラムの一部として学ぶため、英語を主な学習言語としながら、日本語の力を継続して育てることができます。帰国後の学校を選ぶ際には、英語環境だけでなく、日本語教育、学習方法、将来の進路などを含め、子どもにとってどのような環境が適しているのかを総合的に考えることが大切です。

まとめ

帰国子女の学校選びでは、「帰国子女だからインターナショナルスクール」と一律に考えるのではなく、子どもがこれまでどの言語で学んできたのか、英語と日本語を現在どのように使っているのか、そして将来どのような進路を考えているのかを総合的に見ることが大切です。

英語を主な学習言語としてきた子どもにとっては、インターナショナルスクールがこれまでの学びを継続しやすい環境となることがあります。一方、日本語を中心に学んできた子どもには、日本語で教科学習を続けながら英語力を生かせる学校が適している場合もあります。

また、帰国後の英語力を維持するには、会話だけでなく、読書、作文、教科学習などを通して英語を使い続けることが重要です。同時に、日本語の力も継続して育てながら、子どもの現在の状況と将来の選択肢の両方を見据えて教育環境を選んでいくことが求められます。

カリキュラム

この記事を書いた人
Kaname_Kawamoto

河本 奏芽(KAWAMOTO KANAME)
代々木インターナショナルスクール | 事業部・アドミッションズ マネージャー

事業企画および入学選考・手続き(アドミッションズ)の責任者。我が子を海外インターに通わせた経験から、IB等の教育への理解を深め、小学校教員免許を取得した熱意を胸に現在の業務に取り組んでいます。

 

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